被取り込みが起きる3つのメカニズム(5−3)

「あなたはわたし」「すべてはひとつ」という言葉が使われることがあります。

たしかに、本質 のレイヤーでは「すべてはひとつ」は真理です。

しかし、この真理がレイヤーとして心理レベル(人格・感情・思考)のレイヤーに持ち込まれると、

「境界」と「一体性」が混ざり、被取り込みという苦しさを体験します。

混乱してきた理由として、
このレイヤーの違いが明確に区別されてこなかったということがあります。

この記事では、光の視座を軸に、

心理学・非二元・奇跡講座の理解が自然に一致するように、「被取り込み」について丁寧に見ていきたいと思います。

※心理学・非二元・奇跡講座は、最終的な結論としては同じ地点を指しています。ただし、その理解に至るプロセスや使われる言語・概念の定義は大きく異なります。

1 自己価値の揺れ

一般的に、自分の中に

  • 「わたしは間違っているのでは?」
  • 「わたしの感じていることは正しくないのでは?」

という小さな疑いがあると、
他者の言葉や態度が必要以上に大きく感じられます。

心理学的に言えば、これは

「自己攻撃(自己否定)を他者に投影している状態」。

自分への否定が「外側からの評価や態度」として現れて見える瞬間です。

奇跡講座(ACIM)の視点では、この現象はとても優しく説明されています。

それは、

「心がほんの少しエゴ(恐れ)を選んだ瞬間」「方向性のズレ」が起きただけ。

ACIM が言う「間違い(mistake)」とは、罪でも失敗でもなく、

「愛ではない想念(エゴ)を一時的に“これが自分だ、自分のものだ”と信じそうになっていた」

というだけのことです。

それは、批判されるべき誤りではなく、
むしろ「訂正」が静かに差し込む入口

そして、この流れはとても自然です。

  1. 心が恐れの位置へ少し傾く
  2. 自己価値が揺れる
  3. 他者の言葉が過剰に響く
  4. 自分の境界が薄くなる

この一連の動きの中で「被取り込み」が起きやすくなります。

しかし本質のレイヤー(光の視座)では、
この揺れは 愛へ戻るためのやさしい呼びかけ にすぎません。

心がズレたのではなく、
ただ本来の位置に戻りたがっているだけ

2 境界の混線(人格レベルの融合)

心理学でいう「融合」。

本質レベルの「一体性」を、誤って「心理レベルでもひとつ」と解釈してしまうと、

相手の感情や意図に「巻き込まれやすく」なります。

3 外側を原因と信じる(恐れの構造)

奇跡講座(純粋非二元)では、
外側(他人・状況・エネルギー)を原因と見るとき、わたしたちは「恐れの知覚」の中にいます。

被取り込みとは、
外側を原因だと信じた瞬間に起こる現象です。

本当は・・・
原因はいつも「心」であり、外側は「結果」にすぎません。

だからこそ、心が中心に戻ると、被取り込みは力を失い、自然に終了します。