世間で「占い」「鑑定」というとき、多くの場合は、未来や他者の状況を知ろうとする行為を指します。
目的の例としては、
・未知の情報(未来・他人の気持ち・結果など)を知ること
・人の性質や傾向、運勢の流れを理解すること
・人生のタイミングや関係性の相性を読み取ること
などがあります。
その主な関心は、「当たる/外れる」「良い/悪い」といった二元の中で語られることが多く、焦点は出来事、他者、運命、未来といった“外側”にあります。
占術にはさまざまな種類があります。
これらはそれぞれに深い智慧を持っていますが、興味深いのは、どのような種類の占いであっても、深い次元では「直感(インスピレーション)」が働いているということです。
たとえば、体系的な占術の占者がチャートを読むとき、実際には理論だけでなく、直感が、静かに働いているということがあるかもしれません。
その意味では、それがすでに「直感の第2段階(信頼への入り口)」的な使われ方になっている場合もあるのです。
したがって、
- 占いを“外から未来を読むもの”として使うとき → 対比対象(第2段階以前)
 - 占いを“心を通して平安を思い出すための道具”として使うとき → 第2段階や第3段階に接近
 
というように、占者の意図と意識の在り方によって、どちらにも属しうるのです。
「占い」と「直感(インスピレーション)」の関係を考えるときのポイントは、それを用いる人(占者)の意図と意識の在り方です。
どんな種類の占い(鑑定やリーディングなど)でも、どんな流派であっても、それをどのような意図と意識の在り方で用いるかによって、“占い的な領域”にも、“直感的な領域”にも属しうるのだと思います。
たとえば、結果を「当てる」ことや「未来を知る」ことを目的とするなら、それは外の世界を読み解こうとする知的な探求として働きます。それは人間の自然な営みであり、世界や人生を理解しようとする誠実な歩みのひとつです。
けれども、意識が深まってくると、「知る」ことの先にある静けさや、「理解する」ことの奥にある安らぎへと、心が少しずつ惹かれていくものかもしれません。
そのとき、占いという手法は、単なる情報の読み取りを超えて、精神的探求(愛と平安を思い出すための道)として開かれていきます。
このことは、これまでに、セッションを通してクライアントの方(占者の方)と共に見せていただいたことも何度もありました。
もしその行いが、内に向かう意図のもとにあるなら、同じ手法の中にすでに直感(インスピレーション)の働きが流れはじめています。
そのとき、それは、祈りとしてのコミュニケーションになっているのかもしれません。
仮に「占い」というものを、「当たる/外れる」や「把握する/しない」といったことを扱うもの、あるいはそれを期待するもの、情報の読み取りとして見てみるなら、
ここでいう直感(インスピレーション)は、それを超えて、心が静まり、愛と平安に導かれる感覚そのものを指しています。
ここでは、内向きの意図、源泉を思い出していく在り方を大切にしながら、このことを共に思い出しつづける流れを、みなさんと分かち合っていけたらと思います。
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