心の力を思い出す(1)ほんとうの力と強さ

心や霊的な道を歩む中で、ほとんどの人が一度は通るといわれる「強さの誤解」「力の誤解」について、代表的なものをまとめてみました。

「両親や学校、社会で教わってきたことと違う」と感じる瞬間もあるかもしれません。

けれども、それこそが本当の力を思い出していく入り口と言えるかもしれません。

「たしかに、こんなふうに誤解していたかもしれない」と静かな気づきが訪れるとき、

そして、その気づきにそっとゆだねるとき、

わたしたちは、ほんとうの強さ、ほんとうの力――

心の奥にある内なる力を思い出していく、体験していくのかもしれません。

「強さ=弱さを見せないこと」という誤解

誤解

泣かない、落ち込まない、迷わない、弱音を吐かないことが「強さ」だと思う

「しっかりしている」「平気でいる」ことで自分を保とうとする

真実

本当の強さは、弱さを否定せずに抱きしめること

自分の中の恐れや悲しみを見つめ、それを神(無条件の愛)に差し出す誠実さこそが力

「感じることを恐れない心」が霊的な意味での強さ

「強さ=感情を抑えること」という誤解

誤解

怒りや悲しみを感じるのは未熟、霊的でないと思う

どんなときも平静でいなければならないと信じる

真実

感情を感じても、それに呑まれない静けさに戻れることが成熟した強さ

感情を“悪”とせず、ただ観照するスペースを持てる心が、本当の強さを育る

「強さ=常に前向きであること」という誤解

誤解

落ち込む、迷う、止まることを「弱さ」とみなす

常にポジティブでいようと無理をする

真実

本当の強さは、停滞や沈黙の時期をも愛する心

「何も進んでいないように見える時期」も、深い癒しや再生のための準備

外の動きではなく、内なる信頼こそが強さの証

「力=支配・影響力・成果」という誤解

誤解

誰かを動かす力、成功を収める力、影響を与える力こそが「パワー」だと信じる

人や状況をコントロールできることを「力」とみなす

真実

真の力とは、支配を手放す勇気

「何かを起こそう」とするのではなく、愛が自然に流れる通路になること

それは「自分が動かす力」ではなく、「神(大いなる存在)がわたしを通して働く力」

「力=自力で成し遂げること」という誤解

誤解

一人で頑張ること、自分だけでやり抜くことが力だと思う

真実

真の力は「委ねる力」

助けを求め、つながりの中で支え合うことができる柔らかさ

「わたしではなく、聖霊が働いている」という信頼の場所から動くとき、それは個人の力を超えた“大いなる力”になります

「力=特別であること」という誤解

誤解

他の人より優れている、特別な使命をもっていることが力だと思う

真実

真の力は特別性ではなく全体性の中にあります

自分も他者も同じ愛の子として見られるとき、力は「分離の力」から「一致の力」へと転換

・・・以上は代表的なものです。

「自己一致」とは、誤ったセルフイメージをほどき、本来の自己を思い出していくことだと思っています。

ありのままの自己はもともと素晴らしく、何かを足したり、引いたりする必要は本当はありません。

誤解、誤ったセルフイメージにくっつけていたものに気づき、それをほどいていくことは、自然体に寛ぐ上でとても大切なプロセスです。

優しい導きの中で、日々マインドを観察しながら、しっくりくるような感覚や、解放を伴うような気づきが、自然に訪れますように。

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